会社員の男性は女性社員にキャバ嬢を求めている。

私はキャバ嬢の方々を尊敬する。それは女性が会社に勤めるにあたって必要なこと全てが出来る人達だから。

会社員の男性は女性社員に、キャバ嬢のように自分の話を聞いてくれていつもにこにこしてくれて飲み会ではお酒を注いでくれることを求めている。


会社説明会や就職セミナーなどでは当たり前のように「会社には女性が必要で、何故なら女性は女性らしい気遣いが出来るから」という言葉が何度も出てくる。

会社の人事からしてみれば、女性社員は女性らしい気遣いをしてこそ価値があり、男性に対して気遣いをしてくれるからこそ女性を採用する意味があるらしい。

もちろん気遣いだけでなく、仕事もできて、最低限の身嗜みも整えていなければいけない。


以前、派遣会社のコーディネーターから言われた言葉が忘れられない。


会社からの帰り道、派遣会社のコーディネーターから電話がかかってきた。

もうすぐ今の派遣先の契約が終了するので、次の仕事先を紹介したいとのこと。

しかし当時の派遣先の仕事は人手不足で残業が多く休みを取ることが難しかったのでそのことを伝え、申し訳ないのですが面接自体に行けないです、と私は歩きながら伝えた。

するとコーディネーターは急に怒りを帯びた口調でまくしたてた。

「あのー、今回紹介する仕事は、スキルは一切必要ないんです。

ただ営業さんに笑顔でおつかれさまですって言えればそれでいい仕事なんです。

あなたみたいな暗い人にそれが出来るんですか!?」

電話越しのいきなりの激怒に、街中で呆然とする私。

「すみません、とにかく今は休めないので、また別の仕事がありましたらよろしくお願いします。」と言うと、「わかりました。」とぶっきらぼうに言われて電話を切られた。


おつかれさまですと笑顔で言うだけの仕事かぁ…と思ったが、

女性の事務職員というのはそういうことを求められているのだとよくわかった。

勿論ミスはしてはいけないが、それだけでなく、常に笑顔で、会社の華でなければならない。女だというだけで。


男性社員はコミュ障でも許されるが、女性社員はコミュ障では許されない。

仕事を完璧にこなすだけでなく、女性らしい気遣いをして、さらに女性同士の派閥争いにも巻き込まれなくてはならない。


会社員というものになることは、疲れる。